自分で振り返ってみて、不思議なほどに正義感に満ち溢れていた時期ってありませんか。
「いいじゃあないか、ちょっとくらい」という寛容さというか、余裕というか、どっしり構える心持ちこそが、幸せに生きていくコツのような気がします。
知らんけど。
正義感に関連した話を一つ。
これまた小学生の頃の話になります。正義感が強かった時期が、小学生の時でした。
正直、当時はちょっとの嘘も許せないくらい正義感が強かったです。なぜだか説明してみろと言われたら、「嘘は良くないから」などと答えたのでしょう。信頼されることはあっても、面白い人間ではなかったと思います。ちなみに、今も面白くはないです。
ただ、この困った正義感も、徐々に失われていきます。
家の近くには、自動販売機がありました。走れば数十秒で到着できます。さらに当たりつき!商品も好みのものが多かったので、お気に入りでした。
ある日、友達と遊んでいました。その人は機嫌がよかったのか、ジュースをおごってあげようと言ってきました。先述の通り独りよがりの謎思想のもとで、貸し借りは良くないと伝えその申し出を断ります。
冷静に考えてそのくらいの金額別にいいだろうし、気になるのなら素直におごられて次の機会にお返しすればいいと思うわけですが、なぜか断りましたね。
友達は一人で自販機まで買いに行きました。玄関先の階段みたいなところに座って待ちます。
「僕のジュースを半分あげる」と言われたらどうしよう、と考えたとか考えなかったとか。
友達は戻ってきます。その手には二本のジュースが!!!!!
ムッとします。
いらないと言ったはずだ、と伝えますと、
「これ買ったんじゃなくて、当たったんだよ。」
めっちゃかっこよくないですか。今では、十中八九当たってなんかいなくて、頑なに断る超めんどいヤツに何とか受け取らせるための嘘なんだと思います。
現にその超めんどいヤツは嘘だとは微塵も思わずごくごく飲んだわけです。アホです。
数年後、この出来事を思い出した時、友達の真意に気が付きました。
実はおごってくれてしばらくすると、引っ越しで離ればなれになってしまいました。実際のところどうなのか知ることはできません。
嘘も方便だな、と感じます。